中高年になってくると年とともに、人の名前が出てこない、会話が「あれ、これ、それ」のオンパレードになるなど、もの忘れが多くなってきます。これらもの忘れの多くは、単なる年のせいによる、問題のない“加齢によるもの忘れ”ですが、一方では別のもの忘れがあります。それは、良性のものとは一線を画する「認知機能障害」ともいうべき“多数の高次機能障害からなる症候群”です。

最大の特徴は、近時記憶で、体験したこと全体をすっぽり忘れることです。記憶障害は、障害の程度により「軽度認知障害」(MCI)から更に進行して生活に支障が生ずる「認知症」まで段階があります。早期の認知症の症状は気づき難く、10年、20年とかけて進行し、軽度認知障害と診断された方の約15%が認知症に移行するといわれています。

軽度認知障害(MCI)は、本人や家族からもの忘れなどの訴えがありますが認知症の診断基準を満たさず、日常生活にも影響を及ぼさず十分に自立した状態を指します。
医療の現場では、正常な状態と認知症の間に位置する予備軍であるとされ今年厚生労働省から発表されたデータによると全国に400万人は存在するとされています。認知症あるいはその予備軍の人口は、高齢者の4人に1人とされています。
厚生労働省 研究班調査推計(2013年6月1日発表)」

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MCI(軽度認知障害)の診断

MCI